ジトコフさんの書いた本

ちょっと高かったんですが、AMラジオが聞けるポータブルカセットレコーダーを買いました。おかげで、出社している土曜日にも、中途半端な時間にやっているラジオロシア語講座を聞くことができます。

さっきまで聞いてたんですが(仕事しろよ)、以前書いたПочта・ポーチタに出てくるジトコフさんについての注釈がありました。

http://d.hatena.ne.jp/ponjpi/20051007

ジトコフさんはПочтаを書いたマルシャークの友人で、児童文学作家だったそうです。その前は、化学や数学を教えたり、航海士だったりしたそうです。講座の先生が、そのジトコフさんが書いたお話について話していたのですが、印象的な話がありました。

あるところに、とても鳥が好きな男の子がいました。鳥が何羽いたら、自分を持ち上げて空に運んでくれるのだろう…と夢想していました。両親はそんな男の子を動物園に連れていきました。男の子は、たくさんの鳥に夢中になりました。

そして翌朝、男の子は決意します。雨にぬれた屋根にのぼり、目をとじました。きっと、白いやさしい鳥たちが自分のまわりに集まって、そして空に連れて行ってくれるだろう…そう期待して目を開けました。でも、自分のまわりに、鳥は一羽もいませんでした。

そこには、心配して屋根にのぼってくるお父さんと、庭で目に涙をためたお母さんがいました。

というお話です。
ワタシは、雨に濡れた屋根の上で、現実に戻った男の子が1人きりで取り残されないところが、良かったと思いました。「白いやさしい鳥たちに囲まれる」というハッピーエンド的な童話もありますが、でもやっぱりそんなことにはダマサレナイ小さな読み手もいるわけで(笑)ただしそんな小さな読み手に対しても、現実に置きっぱなしにしない優しさをジトコフさんは持っていたんだなぁ…と。世界中、旅して回って郵便屋さんに迷惑をかけても許してあげよう(笑)

ただ、屋根にのぼってくる人が両親でなくてもいいんだと思います。むしろ、ワタシ的には、とおりすがりの人が登ってきて、実はその人は無類の鳥好きだったりして、子どもの頃の話などをしてあげたらいいのにな…と思いました。そういう夢想こそが非現実的かな(わはは)。