私の尊敬するフェミニスト

ツイフェミミサンドリーではない「本当のフェミニスト」って誰なの?

anond.hatelabo.jp

という問いがあったので、私が尊敬するフェミニストのことを書きます。

 

その先生の名はユウコさん。大学の教授で、私が通う英会話学校の講師もしていました。今から20ウン年前、女性に対し就職の門がせまい中で、英語は、女性が就職を少しでも有利に出来るツールでもありました。クラスメートの多くは女子大生で、よく将来どうしたいか語り合いました。ユウコさんもよく付き合ってくれました。

ユウコさんはフェミニズムの研究者で、フェミニストでした。彼女がなぜフェミニズムの研究を始めたかというと

 「アメリカへ留学した時、理不尽な扱いを受けることが多かった。それは自分が未熟だからなのか。アジア人だから、女性だからではないのか。それをときほぐすために、フェミニズムの世界に入っていった」

 とのことでした。そして、

フェミニズムは不当な、性別によって理不尽な扱いに苦しんでいる人をencourageすること。励ますこと。」

そう言いました。きっぱりと。

私はマスコミ業界でバリバリ働く夢を持っていました。当時はどの業界も、就職は男子が有利でした。マスコミを目指す人たちの勉強会に入っていたんですが、男子の先輩から就職が決まっていって、女子の先輩たちは優秀な人でもなかなか就職が決まりませんでした。

そして、自分の就職活動では、筆記は受かっても面接で落ちまくりました。とあるマスコミ大手では「結婚したら辞める?子ども産んだら?辞めるんでしょ」と聞かれ、広告系の会社では「やる気があったって、しょせん、女性は男性の補助だよ」と言われ。あるかないかもわからない「結婚と出産」が、社会に出る前に横たわる大きな枷でした。

結婚とか出産とか先のことなんてわかんねーよとやさぐれて、就職活動から逃げ出した私を見て、ユウコさんは言いました。

「まず働け」と。

自分の足で立つために、なんでもいい、どんな仕事でもいい。アンタが言う通り、社会に出たら学生の時よりずっと男社会だと実感するだろう、打ちのめされることもあるだろう、それでも

「社会に出る勇気を持て」と。

大学まで教育を受けたんだったら、それを社会に還元しなさい、「女は四年制の大学に行かなくていい」と親戚に言われても、アンタの両親は大学に行かせてくれたんだろう。もちろん、夢の仕事につければいいけど、新卒でそれは難しいかもしれない、だからこそ。

「なんでもいい、どんなことでもいい、とにかく社会に出て働け、そして勉強を続けろ」

その声に押されて、年内に塾業界に就職が決まり。セクハラとかありました。そして2年後、ひょんなことから映像業界にツテを得て、十数年間、むちゃくちゃ大変なことも面白いことも経験させてもらって。あー取引先からのセクハラとかあったなー。大病を得て、塾業界に舞い戻り。今は日々、小・中・高校生と付き合っています。

高校生になると将来がより近くなり、相談がより具体的になります。「大学の費用って高いね」女子の方がお金に敏感です。おそらく親にそう言われているのでしょう。

「学費が高くても行かせてくれるんだから、いっぱい勉強しなね、そして働けw」

女子の方が職業と直結した学部学科を選ぶ傾向があり、堅実な夢をはにかみながら語ってくれます。私はがんばろーとゆるく応援しながら、ユウコさんを思い出します。