相変わらず

そういえば、昨年も休日出勤だったんでした。see→http://d.hatena.ne.jp/ponjpi/20050110自分でも進歩しないな〜と思いつつ。

高校時代の友人の年賀状に「仕事はどう?相変わらず?」と書かれていました。私はこれを読んで、とっても凹んだんです。私は、「相変わらず」という形容が特に仕事と結びついて言われると、反応してしまうんです。相手はとくに他意や悪意はないんだと思います。頭ではわかっていても、こだわってしまうのは何故なんだろう…と常々思っていました。

広辞苑をひきました。

【相変わらず】以前と同様に。平常と特に変化なく。「相も変わらず」はこれを強めた言い方で、あざけり・ひやかしの意味が加わる。

そう。私が反応するのは、「常に同じ仕事なんてないんだよ〜。同じ忙しさじゃないんだよ〜」と言いたいからなんです。毎年の年賀状で「相変わらず?」と枕詞のように書かれると、強調されているような感じがするんです。

こんなことにこだわるのは、心の底で「代わり映えしないやっつけ仕事をやってるのかも?」なんて焦りを覚えているせいかもしれません。(これは自分のせいなので、発言者に対して文句を言うとかそういうことではありません)

でも一方で、言葉・表現の問題として考えると。「相変わらず」って自分の行為に対して使う謙遜の表現なのでは?と思ったりもするのです。他者の行為を「相変わらず」って評するのはどうなんだろう、と。ビジネスシーンや目上の人に対して「お仕事、相変わらずですね」とは使いませんよね。「お変わりありませんか?」とは言うと思いますけど。
*語感としてこだわるのは「相」なんだと思います。変わらないことをネガティブにとらえている訳ではありません。


自分の心理的な問題なのか、言葉の用法としておかしいのか、分かりかねるところがあるので、どなたかご教示お願いいたします。

                                                                            • -

追記です。長くなりますが、ご容赦を。【0110追記】
tamaさんからコメントいただきました「相変わりませぬ」を拝見し、ロシア語学習者の血が騒ぎ(笑)品詞分解をしてみたくなりました。「相(接頭辞)変わり(動詞・連用形)ませ(助動詞・未然形)ぬ(助詞)」でしょうか。

でも。そもそも「相変わらず」って品詞はなんだろう?と疑問を持ちました。「相(接頭辞)変わら(動詞・未然形)ず(助詞)」のようにも見えるし、1つの語として使われているようにも思えます。

検索すると7つの辞書で「副詞」、1つの辞書で「連語」とされているそうです。
http://www.lingua.tsukuba.ac.jp/myazawa/data/yzwpaper/jishoron.html 


では、副詞とは何か。国語文法の枠でいうと、主に用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾し、活用はしません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%AF%E8%A9%9E


日本語文法では次のようにまとめられていました。余談ですが、日本語教育と国語では文法の教え方がずいぶん違うみたいですね。
http://www.geocities.jp/niwasaburoo/11fukusiku.html


では、どんな機能を持つ副詞か。「予想・想像と一致した時に使う副詞」と分類されるようです。
http://ws.31rsm.ne.jp/~toolware/dictionary/sup5.html


言葉って、人と人の間でやりとりされる概念のパッケージみたいなものかなと思います。共通のものでありながら、使っている人、個々に語感や語義が異なっていたりしますし。今回、個人としてローカルな語感を得て凹んでいるのか、それとも…。他の人の語感はどうなのか気になった、というのがこのエントリを書いた動機です。

そして、「ものさし」としての文法ではどんな扱いなのかという興味もわきました。…日本語をはじめて勉強する人は大変だなぁ、と思いました。外国語で慣用的な表現を身につけるのはどんな言語でも大変だと思いますが、日本語はとくにあいまいのような気がしますので。

いただいたコメントを拝読して、言葉を(裏読みせず)平明にとらえなければ人間関係に支障をきたすと自省しました。また一方で、語感というのは1つの語だけではなく文脈(状況等含め)の中で感じるものだなと再認識した次第です。

もし、検索でうっかり引っかかってしまい(笑)このページを見てくださる方がいらっしゃったら、いつでも結構ですのでお気軽にコメントをいただければ、と思います。