フェニミズムってなんだ・胸の大きな女の子

キズナアイ」というバーチャルなキャラクターがNHKノーベル賞紹介サイトで登場し、さまざまな物議をかもしました。それを読んで疑問に思ったのが、フェミニズムはどんな女の子(あるいは男の子)を対象にしているかということ。

 

社会学者でフェミニストの方のツイートによると

キズナアイの絵が、性的か性的でないかで揉めてるけど、問題はノーベル賞という女性の(とくに理系の)女性が少ない分野、女子学生を励まして欲しいところで、あの絵が出てくると脱力、「もう少し考えてあげてよ」という文脈なのではないかと。

 

このような意見が他でも散見されたのですが、バストを強調した「絵」が、「性的だ」そして規制すべきだという指摘は、返す刀で、実際に生きている胸の大きな女の子を傷つけることになりませんかね?

 

私は、塾講師を10年ばかりやっています。300人ほどの小・中・高校生を見てきた範囲で、自分の胸を気にする女の子はとても多い。「それは、男性からの性的まなざしに耐えられないからだ」という意見もあると思うのですが、それだけでは無いように思います。大人や同性からの「胸は性的なものだから隠すべきだ」というチェックの影響も大きいのでは!?

 

だんだんと猫背になる胸の大きな女の子を見かけます。小学生の頃にピンと背を伸ばしていたのに、あるいは、ごはんを一杯食べていたのに制限を始める子は痛々しいです。話を聞くと、「母親から服装に気を付けろと言われた」「同級生(女の子)から胸が大きい、大きいと言われる」ということがよくあるのだそうです。

 

理系の、志の高い女性を励ますこと、それはとても大切なことです。でも、胸の大きな女の子の絵柄を、「性的だ」と決めつけ、NHKノーベル賞のサイトにふさわしくない、とするのは、どうなんだろう。励ます対象の中に、胸の大きな女の子、人目を避けようと俯いている女の子は入っていないのでしょうか。

 

私はキズナアイちゃんのイラストを見て、「なんて溌剌としているんだろう!」と思いました。顔を上げて、のびやかに手を伸ばして、明るい笑顔で!

 

 

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私は、大学生の頃、英会話学校である講師に出会いました。その人は、文学の畑でフェミニズムの研究をしていました。彼女がなぜフェミニズムを始めたかというと

 

アメリカへ留学した時、理不尽な扱いを受けることが多かった。それは自分が未熟だからなのか。アジア人だから、女性だからではないのか。それをときほぐすために、フェミニズムの世界に入っていった」

 

という話を聞きました。そして、

フェミニズムは不当な、性別によって理不尽な扱いに苦しんでいる人をencourageすること。励ますこと。」

 

といった彼女の言葉こそが、私はフェミニズムだと思いました。上記で引用させてもらった意見は、「励ましたい」という点で間違っていない。でも、その対象は、もっと広くあってほしい、と強く思います。

 

なお「性別によって理不尽な扱いを受ける人」は女性だけはありません。次回そのへんのところも書き留めておきたいと思います。