絵本で勉強

幻のロシア絵本 1920‐30年代

あまりに悲惨な日常ですので、ちょっとココロの浮き立つ話を。

ロシア語講座応用編が今日から始まりました。今期は「ロシア絵本とファンタジー」がテーマです。今月はマルシャークの『郵便』(Почта・ポーチタ)という詩です。実はこれ、昨年、目黒の庭園美術館に見に行った「ロシア幻の絵本展」でとりあげられてた絵本なんです。画像は「絵本展」の図録です。

ワタシは復刻版も、カードも、ほっぺたふくらまし状態で買い込みました。もちろん、Почтаも復刻版として出ています。復刻版は、絵もかわいらしいし、紙の質感もいいし、手にとってじわじわと幸福感が沸き上がってきます。もちろん、原語でかつ対訳もついていて、ロシア語の勉強になるかな〜と思ったんです。でも全然勉強用にはしてないで、ときどき眺めてにんまりするだけなんですが、なんとこんな形で勉強できるとは!うれすぃ〜。勉強ってものがこんなに嬉し楽しいものだとは思いませんでしたよ(笑)。

Почтаは、郵便のお話。1920-30年代に書かれているので舞台はまずレニングラードソ連国内のいたる所から集まるお手紙。そこに一通の書き留めが。青い制帽をかぶったレニングラードの郵便屋さんが「ジトコフさーん、書留ですよ」でもジトコフさんは国境を越えてベルリンへ。お手紙も郵便列車に乗って転送されます。赤いふち飾りのついた帽子をかぶったベルリンの郵便屋さんが「ジトコフさーん、書留ですよ」でもジトコフさんは昨日イギリスへ発ったばかり。お手紙も後を追って。青帽かぶったロンドンの郵便屋さんが「ジトコフさーん、書留ですよ」でも、彼はなんとブラジルへ発ってしまった。。。

世界中を旅するジトコフさん。その後を追いかける手紙と各国の郵便屋さん。ユーモラスで暖かいイラストとともに、この本を読んでる子ども達は、きっと目を輝かせて「世界」をみつめていたのでしょう。だってワタシがそうだもん(笑)

手紙のゆくえは?地球を一周したジトコフさんの後を追って、無事レニングラードの自宅で追い付きましたとさ。めでたし、めでたし。