絵本展の感想

今日も休出です。どうして秋にこんな連休が多いんでしょうね。(6月は比較的暇なんで、すべての休日を6月に移動することを希望・笑)今、ちょっと待ちなので、前日に触れた「ロシア幻の絵本展」について、思い出しながら感想を書いてみたいと思います。

「絵本展」は移動開催されていたようですが、ワタシは目黒の庭園美術館へ行きました。ステンベルグ兄弟のアバンギャルド・ポスター展に続き2度目です。

チケットを受け取った時に、「うわぁ」って思いました。イラストも素敵なんですが、青い帯を併せていて、紙の質感もしっくりきて、今回の展示のデザインはどんな人がやったんだろう…と嬉しくなったことを覚えています。

展示内容は、1920年代〜30年代のソ連の絵本紹介です。ワタシは2階の階段を上がった所にまとめられた「おもちゃ絵」の絵本たちが大好きです。切り抜いて組み立てることが出来たり、ぬり絵をしたりとおもちゃになる絵本。浮世絵で「おもちゃ絵」ってジャンルがあります。きれいに保管されたものが少なく、完全な形で残ることは稀なのですが、おそらくロシア絵本の世界でも、完全な形のものを探すのは難しいのではないかな…展示では、切り抜いて組み立てられた人形が一緒にディスプレイされていました。復刻版でも1冊あり、カラーコピーして、切り抜いて組み立てようと思っています。

ワタシは100%、ロシア帝国ソ連邦とその後のロシア連邦を肯定している訳ではありません。むしろ政策に関してはかなり悲観的、批判的です。でも、ときどき、とってもヒューマンなものに出会うんです。1920年代-30年代といえば、ロシア革命、内戦を経て、権力の集中が高まり、たとえば反体制派(あとになってちょっと政府を批判しただけでも)、以前書いた矯正労働収容所に入れられてしまったような時代です。その時代に、子どもたちに向けてこんな質の高い絵本が作られていたんだ…というナイーブな感想を持ちました。

それと。ワタシはソ連(末期)と新生ロシアに旅したことがあります。これはまったくもって個人的な印象なんですが、道を歩く人たちを見て、子どもを大切にしているなぁ…と思ったんです。休日の動物園では、小さな女の子たちがリボンを花のようにして髪を飾りおしゃれをしていました。ソ連末期で、成人の服装はお世辞にもよかったとはいえないんですが。
新生ロシアになっても、おばあさんが孫を叱っている姿は健在でした。公共の場で、子どものお行儀が良い…という印象をかなり強く持ちました。

ともあれ、ワタシが惹き付けられるロシアの光の部分を、引き続き書いていこうと思います。