プーチンの今後

いつも拝見しているoono_nさんのダイアリより。

大野の日常 ロシアにとっては良い事だが、批判はされるな
http://d.hatena.ne.jp/oono_n/20071212#1197406851

まずプーチン大統領の評価について

プーチンは、驚異的な手腕を発揮してロシアを建て直した優秀な政治家だと思う。国際的な影響力も、国内への影響力も強い。ロシアは、これまで通りの路線を突き進む事になるので、ロシア国民的にはOKだろうとは思う。

ワタシは個人的には、プーチンをウラジーミル・ウラジーミロヴィチとは呼びたくないんですが、確かに驚異的な手腕を発揮していると思います。エリツィン―官有物払い下げ政権―時代の政治および経済のでたらめぶりと比較すると、本当にびっくりします。新生ロシアになってからの混乱をさっぴいても(まぁワタシはゴルビーびいきだったので、色眼鏡もありますが)、エリツェンの政権私物化はひどかった。

プーチンエリツィンのもとで甘い汁を吸っていたオリガルヒ(財閥)を逮捕し、恭順したオリガルヒからはきちんと税金を取り立てるようになりました。破綻寸前というより破綻していた国家財政を立て直した功績はほんと大きい。これって、ロシア国民だけでなくって、世界的にもよかったと思うんですけどね。もっとも、地方の首長を選挙から大統領の任命制にしたのはひどいと思いましたが。チェチェンについては、これまでも書いてきたし、今はとりあえずおいておきます。

2001年にモスクワとサンクトペテルブルグへ行ったとき、街角のお土産屋さんにプーチングッズがあふれていてびっくりしました。官僚的で冷たい印象のプーチンがそんなに人気なのかと。お土産って、権力者の人気を反映するんだと思います。91年の夏にソ連へ行ったとき、マトリョーシカが、レーニン-スターリン-ブレジネフ-ゴルバチョフそして一番デカイのがエリツィンになってました。まだ、ソ連が崩壊する前(ってゆーかほんとに直前)だったのですが、人気は正直だなぁと。

で、下院選前にアガニョーク(ロシアの週刊誌)が権力者ポートレートの売れ行き事情を記事にしていたんですが、プーチンが断トツでトップだそうです。そして、ポートレート売り上げでプーチンと競っているのが、なんとフェリックス・ジェルジェンスキーだそうで、これも驚きました。(さわりしか読んでないので理由は不明デス^^;)

そんなわけで、ロシア国民的にOKってゆうのはよくわかります。

で。関心があるのがワタシもこちら。

しかし、大統領と首相の権限に関してバランスは取れるのだろうか。

本来、ロシアでは大統領のほうが強い権限を持つはずなのに、メドベージェフは首相の力をバックにした傀儡になるのだろうか、それともメドベージェフが突っ張り切って対等の力を発揮し、二人三脚体制になるのだろうか。そのへんで法律や体制が守られるのか、形骸化するのかが決まってしまう。少なくとも、形骸化させるのはマズイだろう。

そもそも、大統領の任期期限を2期としたロシア憲法って、93年に成立したんですが、その前にエリツィンが議長を追放して反対する議会を武力制圧したんですよね。で、武力で恫喝した議会で憲法を成立させた、と。そんないきさつがあるから、プーチンは、下院で憲法改正できる3分の2以上とったら、任期を改正できると踏んでたのでは?とも思います。

首相になって権力をふるうというシナリオよりも、国内的には憲法改正手続きをしたほうがすんなり行くような気がしますが、プーチンはしないって言ってるし…。欧米は非難するでしょうしね^^;。

やっぱりプーチン首相=メドベージェフ大統領体制でいくのかなぁ…。二重権力は混乱のもとなので、メドベージェフに頑張ってもらいたいですけど、まぁ他国のことですし。それに、「オレの弟子がオレの魂を継承してくれて国を守ってくれればそれでいい!オレはどんなにチルドレンに乞われても出馬しない!」とかいうのだったら、それはそれで^^;愛犬コニーとアーリーリタイアメントするのもオツかもしれませぬ。コニーこわいし。