フォーチュンテラー?

夕飯がてらビールを飲みにいきました。めんどくさいので宿に近い、すいているレスト ランに入りました。ところが店員が出てきません。テーブルで帳簿をつけているオー ナー然とした女性に「すみませんが…」と声をかけると、その人は東洋の顔をしてい て、どうやらお客さんのようでした。失礼しました、と言ってるうちにやっと店員が出てきたので促されるまま窓側の席に腰を降ろすと。

「あなた1人?良かったらご一緒にどうぞ」とそのオーナー然とした貫禄のある女性が声をかけてくださったので、一緒のテーブルに着くことに。彼女はヘレンさんという台湾からいらした人。台湾とか香港の人ってビジネスネームを持ってるんですよね。ヘレンさんは1女の母で、保険会社に勤め、社員旅行でクルムロフに来ているらしいです。何百人という単位で来ているそうです。どおりで東洋系の人が多かったわけです。

突然、「あなた、1人で旅行してるの?ご主人はどうされているの?」と聞かれました。え、シングルですよ〜ワタシは、と言うと、「結婚してないの?なぜ?どうして?」と驚いています。ワタシもそんな真正面から「なぜ結婚してないのか?」と問われることは滅多にないので、驚きました。答えがあるなら、ワタシが知りたいです(笑)

おもむろにヘレンは、「ワタシは占いができるのよ。ゲームだと思ってあなたの生年月日を教えて」と言いました。教えると、彼女はノートに数字を1から9まで書いて、色々生年月日を計算しながらその数字を囲んでゆきます。一心不乱に計算するヘレン。

顔をあげると、「アーティステックな傾向を持っているのね」と。アーティスティックと言われて嫌な気はいたしませんが、ヘレンの顔はすぐれません。どうしたの?と聞くと、悔しそうに[PLAN][POWER][THINK]と書き上げ、「アナタにはこれが欠けているのよっ」と言います。ほー、ワタシは行き当たりばったりで、へたれ、考えなしってことですか。当たってます(笑)へらへら笑っていたら、彼女はしっかりしなさいというように「組織管理」と漢字で力を込めてかきました。このラインが欠けている、すなわち「組織管理」の能力が欠けているんだそうです。がちょーん。

また、[POWER]が無いから結婚とか家庭をつくるラインがつながらないんだそうです。さらにまだ欠けているものがあるといいます。それは「言語社交性」。言語社交性ってあれですか、相手をおだてるほめるとかそういうことですよね。なるほど。

欠けているものがありありの結果を見て、彼女は「アナタの運命の人の生年月日はこれよっ」
と6つの数字を書きました。「つまりアナタの欠けているものを持っている人の生年月日なの。身の回りに誰かいない?」と。じーっとその数字を見ました。どこかで見たことのあるような、ないような…

「!」

「いたの?いたのねっ。その人がアナタの運命の人よっ」
「今年中に決断しなさい。誕生日の前までよ。この決断がアナタを新しい人生に導くのよ」
「いやぁそれにしても、よかったよかった」
と、我がことのように喜んでくれるヘレン。

ビールとごはんをごちそうになってしまい、台湾のいろいろなことを話してくれまして、すっかり良い気持ちでレストランを後にし、別れました。

でもね、すごく喜んでくれていたので言いそびれたんですけど、その身近にいる運命の人って、実は女性なんです〜。