ああ、チェスキークルムロフ

チェコに着いて3日目。ワタシは、前日小春ちゃんに買ってもらったチェスキークルムロフ行きのバスの切符を握りしめ、フローレンツバスターミナルへと向かいました。

プラハの南、クロムロフまではバスで3時間半ほど。路線バスなのでトイレ休憩がないことが心配でした。一応、チケットは座席指定だったのですが、シート番号が消えかけていたためか、乗客の一人であるヒゲ面のお兄ちゃんが、「関係ないみたいだからどこでも好きなところに座っていいっすよ」と色んな人に声をかけてました。

前日までとはうってかわって、暖かく気持ちの良い天気でした。バスの中でワタシはぐうぐう寝て、気がつくと運転手さんが「クルムロフはここだから降りて〜」と言ってました。

バス停から、途中地元のおばあさんに道を教えてもらって、城門をくぐって、「いよいよ世界遺産チェスキークルムロフへ」と勇んだのですが、どうも様子がへんです。まずは今夜の宿を探しにインフォメーションを目指したはずなのですが、地図にはない道ばかりなのです!どう見ても、地図と道が違うのです。中心部を目指すのですが、なぜか、駐車場に出てしまって、世界遺産とは程遠いしょぼい川岸が見えます。地図が悪いのか、町が悪いのか、それともワタシが悪いのか。

ダウンの上着が暑く、ゴロゴロ引いてる荷物が重く、おまけにお腹が減ってのどがかわいて死にそうです。そのうえ、トイレにも行きたくなりました。いつのまにか人通りがある場所に入っていったのですが、観光客と土産物屋ばかりで、しかも東洋人ばっかりで、内心うげーっと思いました。

人込みをかき分けてゆくといつのまにか広場に出て、インフォメーションをみつけることができました。あと少しで12時になってしまいます。お昼休みなどとられたら、ワタシのこのくそ重い荷物とボウコウはどうなるっと必死で宿のファイルをめくりました。必死なわりに、荷を降ろしてトイレにさえ入れたらどこでも良かったので、適当に2,3選んでカウンターにもってゆきました。

ペンション「バルバカン」。広場から歩いて1分もしないところにある、とぞんざいに道を教えてもらったのですが、どうも地図を読み取る能力がワタシには全くなくなってしまったようなので、しつこくシツコク道を聞きました。ところがいともかんたんに宿に着けたので、一体ワタシに身に何が起こったのかと部屋でしばらくボーゼンとし、トイレに入ってペリエを飲んでから、宿を基点に地図を見ると。

降ろされたバス停がひと駅手前だったことがわかりました。つまりワタシは、思っていたのと90度ずれた方向から町に入っていたのです。ただそれだけ。