プラハ城界わい


何とかと煙は高い所が好き、と言いますが、小春ちゃんに最初に連れて行ってもらったのが、プラハ城のそばにある展望所(ペトジーン公園でした)。はじめてプラハという町を見た印象は、「なんで屋根がオレンジなの?」小雨降る鈍色の空の下で、水に濡れた屋根の色があざやかだったこと。

プラハは、14世紀(1300年代)に神聖ローマ帝国の帝都として発展したそうです。ワタシの「神聖ローマ帝国」のイメージはウィーンなんですが、行く前に地図を引き比べてみたらなんとなくウィーンと町のつくりが似ているような。ところが行ってみたら、とくにプラハ城側は高低差が大きくて、街路は重厚な石畳に覆われて、なんとも歩きがいのある道でした。

道はすべて小春ちゃんに任せていたので、どこを通ったのかよくわからないのですが、お昼ごはんにビールがおいしいというお店でビール&おつまみの軽食。おつまみは、ビールチーズ(?)とか、ウィンナーの焼いたのとか、酢ずけのウィンナーとか。どれもビールによくあっておいしかった。ところが、ワタシは眠いのと疲れたのと雨で足元があやういのと、軽く酔っていたのとで、重厚な石畳の上にデジタルカメラを落としてしまったのでした。電池の蓋がおかしくなり、メモリーがふっとびました。あーあ。しかしまた、今回の旅ではこんなこともあろうかと、フィルムのカメラも持ってきていたので、無問題。

お城の周辺を降りてゆき、そしてまた裏庭から登ります。この裏庭、というのが棚田のような庭になっていて、棚ごとに花壇とベンチがあるという、そしてまことに登り甲斐のある石段でした。「百塔の町」と言われるだけあり、屋根からにょきにょき飛び出る塔の高さが、登る度に変わってきて、面白かったんですが、つかれました。

お城の中には、教会があって、遠目で見えるいわゆる尖塔の「お城」な部分は、聖ヴィート教会というゴシック様式の教会なんではないかと思ったのですが、いかがでしょう。ゴシックの教会はどうしてあんなに背が高いのでしょうね。聖ヴィート教会前に広場があるんですが、広角レンズを持っていかなかったので、ぜんぜんアングルにおさまりませんでした。

内部は、写真とってもいいよチケットを買えば写真を撮ることができます。小春ちゃんが気にしてチケット買う?と聞いたんでしたが、ワタシは「いいよ、またきっともう一度来るから」なんて言っちゃったのでした。滞在中「もう一度」は無かったんです。ああ、もったいない。ステンドグラスが見事でした。アルフォンス・ミュシャ(ムハ)のステンドグラスが有名みたいなんですが、ワタシは幾何学的な模様の方が好きでした。

で、色々と見て回ったのですが、圧倒されたというかやっぱり石造りの町は威圧感がありました。歩道には、丁寧に四角く揃えた石けんのような石がタイル状に敷き詰めてあって、どうしてこんなにきれいに削れるのか敷いてゆけるのか、チェコ人って案外緻密なんだね、と軽口を叩きあいながらも、石の文化の人たちに「おぬしらやるな」と敬意を持ったのでした。