受験シーズン

地下鉄から地上に上がると、同じようなビルが立ち並んでいて、どっちに向かえばいいか迷う。都内で仕事をしている現在でもそうです。そして、大学受験のその日もそうでした。

いつも通勤で使っている駅に、受験会場案内の張り紙が小さく出るようになりました。ああ、受験シーズンなんだな、と気がつきます。

つらつらと思い出してみると、東京近県の公立の高校生だったワタシは、自転車で30分かけて学校に通っていて、県外へ出る機会もそんなにはなく、電車に乗ることにも慣れてませんでした。ビルの谷間から空を見上げると、どんより曇っていて、なんだか威圧されるような、いやぁな気持ちで受験会場まで歩いたのでした。

早々に私大文系に決めていたので(というか理数系があまりに嫌いでできなかったので)受験勉強自体はそんなにイヤではなく、スケジュールを机の前に書き出して、ひとつひとつ課題を塗りつぶしてゆくのが好きでした。大学は5校受けたのですが、その中で一番学費が安くて自宅から通えるところが本命でした。

というか、受かる気がしていたのです。なんでかというと、過去の問題をといていくと、その大学・学部の出題傾向がわかるのですが、本命のところは、ちょっと偏っていて、その偏り方が、ワタシ向きだったのです。

結局、その大学に受かりました。今でも何が出たか鮮明に覚えています。なんでかというと、世界史の問題のヤマが大問4題分もピタッとあたったからです。答案の向こうから「おいでおいで」といってるのが聞こえました(笑)

現在に至るまで、色々な選択をしてきたわけですが、見える風景はどこも同じようで迷ったり途方にくれたりしてきて、そんでもって、「この道でいいのかなぁ」と不安に思うこともしばしばです。でも、なんとなく進んでいくと、どこかで「おいでおいで」という声がして、その声にしたがってゆくと、なんとなく「ここでいいのかな?」という場所が見つかる、という(笑)で、その声の持ち主が極悪の客引きだったりするかもしれないのですが、まぁ面白かったらいいや、と。

受験生のみなさん、がんばってください。