人のかたち

印象論なんですが。

先週末から、仕事でたてつづけに色々あって、それを眺めながら、「人のかたち」ってわかるのだなぁと思いました。それは、姿かたち…身体的な特徴とか、服装とか、そういうものではなく、目をつぶっても立ち現れてくる何か…人間の密度というか、そんなものを感じたのでした。よく言われている「オーラ」がそれにあたるのかもしれませんが…

つまり、目を閉じて、その人を思い浮かべたときに、姿かたちではないものが思い浮かんでくる場合があるのです。

で、ワタシは、ある程度人間関係が密になった場で感じたんですけど、感じる人は敏感に察知してて、で、そういう「人間のかたち」はごまかしがきかないんだな…って思いました。

ワタシは、須賀敦子さんの書かれたものが大好きなんですが、若かりし日を題材に書かれた短編集『ヴェネチアの宿』の中で、母親に「あなたは人生をさぼっているような気がするのよ」と呟かれたエピソードが書かれています。とても印象的でした。生きてゆくことの積み重ねで「人のかたち」ができあがってくるのだとしたら、やっぱりさぼりたくないし、美しいたたずまいをつくっていきたいものだな…と思ったのでした。