ウクライナその2

ウクライナの大統領選について。野党候補のユシチェンコ氏が、ダイオキシン中毒であのようなお顔になった、と公式に発表されました。9月に与党幹部と会食し、具合が悪くなってウィーンの病院へ2度行き、1度は「対立候補に脅されたせいで」医師が言葉とにごした、ということになってますが、では何故今…ということがよくわかりません。
それと、「ダイオキシン中毒」=「対立候補による毒殺」という論理が妥当かどうか…

しかし、「顔」ってインパクトありますね。そのへんにもうさんくささを感じてます。「使用前」の顔がハンサムすぎるのも気に入らないし、「使用後」の顔が、なんとなくエリツェンに似ているのも気に入らない。さらに、ダイオキシン中毒による皮膚病で、数ヵ月後には治ると医者が言ってるのも気に入らない。だって、医者を抱き込めば、特殊メークでもいけるのですもの。ちょっとぐぐってみたら、あれ、ダイオキシン中毒の典型的な症状なんですってね。特殊メークでも可能ですね、なーんて。真偽はともかく、非常にメディア向けの事例ですね。

で、「ウクライナにおける民主主義」が育っていない、あんなのはうそっぱちだ、なんていう気は毛頭ありません。こちら、2001年の記事ですが、ベラルーシのことを書かれている方がとてもよくウクライナ情勢についてまとめていらっしゃいます。2000年のジャーナリスト失踪時のウクライナの人々について、抜き出しますと

服部倫卓氏の「ベラルーシ津々浦々」
ウクライナ、10年目の迷走?
http://www.geocities.jp/hmichitaka/meiso.htm
そもそも、独裁国家であれば、政権のスキャンダルが表面化することも、野党との対立が発生することもないのであり、今回の事件はウクライナで最低限の民主主義が機能しているからこそ起きたのである。ウクライナでは議会も政党も充分に自立した存在であり、マスコミも本件についておおむね客観的な報道に努めている。むしろ、今回のことを通じて国民が民主主義や自由報道の尊さを改めて痛感するという効果もあった。

ワタシが言いたいことは、誰かにとって都合が良い「民主主義」が、世界的にメディアを通じて喧伝されているのでは?ということです。あともう一つは、「経済改革」が誰かにとって都合がいいんじゃない?ということです。外資導入というのは、外国資本に国内企業や市場のシステムを払い下げることでもあって、世界的な「官有物払い下げ事件」が起こっているのでは?とわが国の竹中平蔵氏に聞いてみたかったりします。

ともあれ。ウクライナの人々にとっても、周辺の安定にとっても、ウクライナが東西に分裂するのはよろしくないと思います。おそらく、再選挙をやったらユシチェンコが勝つのかなぁ。(ロシアの介入はひとまずなさそうです)むしろ現与党側が勝った方が、分裂の危機があるように思います。
で、選挙後のことを考えて、ぜひ思い出していただきたいことがあります。ロシアのエリツェンも、旧ソ連末期に、「勇敢な」経済改革と民主主義の旗手でした。テレビ向けに戦車に乗って、全世界に「ロシア民主主義」が喧伝されました。その後、急激なインフレや経済のあからさまな独占・寡占が行われました。その反動で、強権的・内務的なプーチンが大統領に選ばれました…うーん、そうなるかわかりませんけど、「民主主義」のインフレーションは危険ですよ。


いやしかしね、日本人として、ワタシ、えらそうなことはいえないですね。ね、コイズミさん、タケナカさん。

【追記】
昼ごはんを食べながら、そも「民主主義」とは…と考えてみました。
どこかで、うさんくささを持って見るというか、「政治ヒーロー」が出ても信じないってゆうか。利用しても利用されない。使い道がなくなったらポイできるようなシステムを持たないとダメですよね。アイツをどうやったら「ポイ」できるんだろう…使い道なさすぎ。