金の魚

金の魚―朗読CD絵本
金の魚―朗読CD絵本

プーシキンの『金の魚』朗読CD絵本が届きました。きのう、帰りの電車で開いてみたら、本の装丁・挿絵ともにすごくよかったです。

お話は、青い青い海でおじいさんが金色の魚を網にかけ、逃がしてあげることからはじまります。家に戻っておばあさんに「あのさぁ、金の魚をつかまえたんだよ、そんでね、助けてあげたら、お礼に望みごとをかなえましょうっていわれたんだけど、逃がしちゃった」と言ってる間に、おばあさんの顔はみるみる恐ろしげにかわってゆき(挿絵で、ほんとにコワイ顔になっているので、うわっと思った)「うちには壊れた桶しかないのに、なんでどうして、あんたは新しい桶の一つも望まないの!!」とおじいさんを海に追い立てます。おじいさん「おーい、金の魚さんよぉ、助けておくれ、うちのばあさんがこわいんじゃ、なんとか新しい桶をひとつおくれよぉお」と金の魚に頼ります。金の魚は「わかりました。おうちに帰ってごらんなさい」と望みをかなえてくれます。おじいさんは、ああよかった、これでばぁさんに怒られずにすむ…と思いましたが。。。。。。おばぁさんの欲望はどんどんエスカレートしてゆき、その度、金の魚は淡々とおじいさんの望みをかなえてあげるのですが。青い青い海は、だんだんとその色をなくしてゆき…そして…という、人の欲の哀しさあふれるお話です。

このプーシキンのお話を翻訳したのが、みやこうせい氏で、訳も大変によかったです。ロシア語の原文もついているので、対照しながら、たどたどしく拾い読みをしてます。今日は大雨だったので、CDプレイヤーを持ち歩きたくなく、まだ朗読を聴いてませんが、ロシア語原文を朗読しているのが、あのアニメーション作家のユーリ・ノルシュテイン氏で、日本語は岸田今日子さんが担当されています。ワタクシとしては、ロシア語の勉強をしつつ拝聴させていただこうと思ってます。

それで、この本の企画はどうやら、みやこうせい氏がされたようなのですが、丁寧に本を作った…というもう細部にまで神経がいきとどいていて、感激しました。氏のあとがきも、ロシア趣味人の心をくすぐるプーシキンドストエフスキーのエピソードが満載で、ワタシはもう嬉しくってしょうがなかったでございます。ということで、ちょっとロシア熱に浮かされた日記が続くかもしれません。(日記じゃないのですけどねん)