ローマ人メモ

ルビコン

『内乱記』は『ガリア戦記』とちがい、全編を流れる主調音は、敵に対するカエサルの軽蔑である。憎悪も怨念も復讐心も、自分は相手よりは優れていると思えば超越できる。憎悪や怨念や復讐欲は、軽蔑に席をゆずる。このカエサルが、唯一軽蔑したいと思いなが…