駅で急にへたり込んでしまった話

 

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「へたりこんでしまった」ことがある身からすると、声をかけてもらえると有り難いです。脳腫瘍(髄膜腫)が発覚する前、急に右足に力が入らなくて立ち往生したこと、手術後、てんかん発作を起こしてホームで倒れたこと、があったのでその時の経験を書きます。

 

脳腫瘍については↓で書きました。 

人生には「まさか」という坂がある

http://ponjpi.hatenablog.com/entry/2019/01/09/132559

 

 

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脳腫瘍の診断が出る前、「急に右足が動かなくなる・しばらくすると解除」という症状が、何度か出ることがありました。ある日、駅のホームで急に右足が動かなくなりました。歩く人の邪魔になるし、移動したいのだけど右足が動かないので立ち上がることが出来ませんでした。でも、恥ずかしいし、大事にしたくない、あの柱までいけば、つかまり立ちができる、と柱を見上げたその時、女性の人がおそるおそる「大丈夫ですか?」と聞いてくれました。

 

私は、「右足が動かなくなって、立てなくて…」と話したら、その女性が肩を貸してくれて、ホームのベンチまで連れていってもらえました。「駅員さんにお話ししましょうか?」と言ってくれたのですが、やっぱり大事にしたくなかったので、お礼を言って「大丈夫です」と言ってしまいました。

 

 

本当に大丈夫でなかったのが、駅でてんかんの発作を起こした時です。脳腫瘍の手術後、てんかんが後遺症として残りました。発作を抑える薬を飲んで半年、頻繁におこっていたけいれん発作が、1カ月ほど起こらなくなりました。電車で病院へ向かうその日の朝、「もう大丈夫」と友達にも伝えようと思って、駅のホームで携帯の画面を見た瞬間、右足から何かがこみ上げてきて、立てなくなりました。

 

座り込んでからしばらくして、右足からけいれんが始まり、上半身が起こせなくなり、そしてホームにあおむけに寝転がるような形で、右手までけいれんが波及しました。右のけいれんに合わせて、カラダは左に動いていきます。じりじりとホームの際まで身体が動き、「こわい!」と思ったその時。

 

男の人がぐっとホームの中ほどまで引き寄せてくれました。私のカバンを枕にして、脈をはかり、「何か持病はありますか?」と大きな声で呼びました。私は、意識はあるのですが、けいれんを起こしている間は話せないので、うなづくだけでした。目で必死にかばんに「てんかん有、病院と自宅の連絡先」のカードを携帯していることを示すと、分かってくれて、「大丈夫ですよ」「大丈夫ですよ」と頭を支えて保護してくれました。初めて外で大きな発作をおこしたので、その時は不安で不安で仕方なかったので、本当にありがたかったです。

 

その間、誰かが駅員さんを呼びにいってくれて、駅員さんたちがタンカを持って走ってきました。男の人はてきぱきとタンカの乗り方を指示して、救護室まで付いてきてくれました。そこで、私から、かかりつけ医がいること・いつもは救急車をよばないことを聞くとお駅員さんと何やら話して去っていきました。結果的に、家の人に車で迎えにきてもらい半日家で寝てると、身体が動くようになったので、駅に電話をして助けてくれた人についてお礼をしたい、と伝えました。

 

個人情報なので、連絡先は教えられません、でも伝言はできます、とのことでしたので、翌日、お礼を持って駅に伺うと、その人は、なんと、非番の消防署の人でした。やっぱりプロの人はすごいです。あと、駅員さんを呼びにいってくれた人は、大学生の人でした。駅の人に御二方に伝言と小さなお礼を託しましたが、今これを書きながら、本当に有り難いことだったと思いました。

 

これを読んでくれた人にお伝えしたいのは、てんかんの発作を起こして寝転がっている人がいたら、

・ハンカチなどを絶対に口に突っ込まない(窒息を招くおそれがあるので)

ようにしていただけると良いかと思います。

 

私の経験では、プロの方が居合わせて判断してくれたので救急車は呼びませんでしたが、けいれん発作は、てんかんだけではなく、別の疾患のせいかもしれないので、救急車は呼んだ方がいいかもです。

 

あと、てんかんの持病をもっている人は(あるいは他の持病がある人は)、持病と連絡先を伝えるカードを作って持っていた方がいいかもです。