新印象派展
この気持ちはなんだろう、憧れや懐かしさ。
新印象派展をみた帰り道、私はその気持ちに似た何かを経験したか記憶をたどりました。
新印象派 光と色のドラマ|東京都美術館 2015年1月24日(土)-3月29日(日)
印象派というのは絵が明るい。空にバラ色の光がまざっている。そんなイメージを持っていましたが、「新」印象派というジャンルはなじみがありませんでした。スーラやピサロは印象派だとばかり思っていました。
今回の展示で、作品の背景となる技法や作家たちのエピソードが説明され「点描画」がなぜこんなにも光をはらんでいるのか分かったような気がしました。
点描で使われている補色、が鍵でした。ある色を際立たせるために反対の色・補色を用いる。単純にいってしまえば、空の青や木々の緑を描く際に黄色やオレンジ色が入るので、必然的に光をまとうような感じになるんじゃないか、と思いました。
それにしても、昼の日中を一瞬停止させたようなピサロやシニャックの風景画にぐっときました。とくにピサロの「エラニーの農家」。ヨーロッパの農家なのですが、私は確かにこの景色の中に居たような気がするのです。
ピサロいいなぁ。庭で女性と子どもが仲良く寄り添う「ポントローズのロンデスト家の中庭」。大原美術館で「いいなぁ」と思った絵でした。
シニャック「クリシーのガスタンク」は色の固まりでラインを描いている感じ「ポルトリュー、グーヴェルロー」では塔と港の広場がモザイクのように形どられて、この人はアブストラクトにはいかなかったんだろうか、とふと思いました。
白い道、青い入江。なんだかとても懐かしい。頭の中でTHE BOOMの「からたち野道」がループしました。もう一度行きたい展覧会です。